材料のこだわり

家づくりに関する材料は数多くありますが、全てを兼ね備えた完璧なものはなく、それぞれ長所・短所があります。どんな家にしたいか、どんな生活をしたいかで選ぶものも変わってくるのが家づくりです。
住研が この十数年来、体にやさしい家づくりをしてきたのは、当時忘れ去られてしまいそうだった日本の伝統的な木造軸組工法や木のぬくもり、自然素材の力を再発見したいという思いからでした。そして、永く愛される家づくりを目指す上でメンテナンス性や耐久性を重視した材料を厳選しています。それを活かした家での生活の快適さを一人でも多くの方に知っていただければ、と思います。

① 在来軸組工法の特徴

日本古来の伝統工法です。柱や梁を使って構造体をつくるので、軸組み工法とも言います。地震や台風などの外部から加わる力に対して、筋かいや金物で抵抗します。また、合板などを使って、筋かいに替えることも可能です。在来軸組工法の良い特徴は、他の木造の工法に比べると建築の際の自由度が高く、開口部を大きく取れる、平面プランの壁の配置が使用目的に合わせやすい、増改築が容易、などです。ただ、どうしても現場での加工精度が重要になってきますので、大工の技量によって品質にバラツキが出やすいと言えます。住研ではそのようなバラツキが出ることのないよう担当現場監督と経験豊な熟練大工が施工にあたります。そして皆様の大切なご新居を安心してお任せいただけるよう技術の研鑽を重ねています。

② 国産材・県産材の特徴

杉は日本固有の木で、全国に数百物品種があります。在来工法の材料として古くから使用され、この工法に非常に適している材料と言っていいと思います。例えば住研使用の県産杉の樹種に「飫肥(オビ)杉」と呼ばれるものがあります。主に宮崎県を中心に九州南部で生息し、古くから船用材などとして広く用いられてきた良好な樹種で、樹脂分を多く含み腐れにくく、弾力性・耐久性があり強靭です。 また、杉特有の防虫効果を備えながら、さらに芯材(赤身の部分)はシロアリに侵されにくい特性があります。成長が早く、まっすぐに育つ素性の良さがあり、挿し木で育てるので、品質が安定している点も特長です。
私たちの郷土である大分県の森から産出した木材を使用するということは、森を手入れするという観点から、その地域における雨水を蓄えて土砂の流出・崩壊を防ぐという環境整備を行うということなのです。適切な手入れを施せば、活力も旺盛で成長量が大きくなり、結果大量のCO2(二酸化炭素)を吸収し、酸素を大気中に放出します。そうした森は微生物から哺乳類までバランスのよい生態系を保持することにも繋がります。
また乾燥方法は、大分県林業試験場が開発した大分方式乾燥を採用し、より高品質の乾燥材生産を行っています。
その他のメリットとしては、補助金制度等もありますので、担当者にお問い合わせください。
以上をまとめますと、

  • 1. 樹脂分を多く含み腐れにくい
  • 2. 弾力性・耐久性があり強靭
  • 3. 杉特有の防虫効果と防湿性が高く、芯材(赤身の部分)はシロアリに侵されにくい
  • 4. 均一で安定した含水率
  • 5. 色落ちが少なく、曲がりがなく、割れが少ない
  • 6. 杉本来の色と香り。美しい光沢があり、肌理が細かい
  • 7. 常時充分な在庫により短期納品が可能
  • 8. リーズナブルな製品単価

ということになります。


③ 無垢材の特徴

昔の神社仏閣など現存している建物が木造であることが証明しているように、高温多湿な日本の風土においては木造住宅が最も適しているのはあきらかです。無垢の木材は湿度を調節し、そのやわらかな手触りや香りで住む人の心を癒してくれます。また年月を重ねるごとに風合いを増し、豊かな表情を見せて私たちを愉しませてくれます。日本人がなぜ、木や緑、川や海など自然を愛するかと言えば先祖代々、自然に助けられ共存し生きてきたからではないでしょうか。住研ではそんな木のぬくもりを感じながら生活する豊かさを一人でも多くの方に知っていただきたいと考えます。
また、木はシックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドを発生せず、焼却時に有害なダイオキシンなどの化学物質も出しません。CO2を吸収しながら成長し、同じ量のCO2を排出、燃えて役目を終えていくのでCO2の排出量はゼロということになります。環境にも優しいというわけです。そして熱伝導率が低く、ゆっくり熱を蓄積、放出するので、一度温まれば断熱効果も発揮してくれます。今、私たち人類に課せられている環境問題への配慮にもつながるということになります。住研が無垢の木をふんだんに使う家づくりをお薦めする理由は人だけでなく環境にもやさしいと考えるからです。
しかし、無垢は湿度の影響を受けやすく変形しやすいので、絶対に隙間はあきません、割れません、などのお約束はできません。ただし、よく乾燥した材料を適切に使用することや、季節に応じて加湿器と除湿機の使い分けをしていただくことなどにより、それらの短所を補うことは可能です。また、お手入れは木の吸放出機能により湿気が室内にこもりにくいので基本的に掃除機やモップかげで十分です。これは思いのほか簡単と感じていただけるのではないでしょうか。水拭きも固く絞った雑巾で拭いていただけますし、昔ながらの方法でヌカを使って磨こうとおっしゃるお客様もいらっしゃいます。

④ 塗料のこだわり

シックハウス症候群の問題により、非常に普及してきた健康塗料は有害化学物質(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、鉛、水銀など)を含まず、植物油など自然界に存在するもののみで作られているので、安心して室内にも使用できます。以前は竣工したばかりの住宅でシックハウス症候群が発生しがちでしたが、そのような事例はほとんどなくなりました。
そして健康塗料と言っても数種類ありますが、住研では赤ちゃんが舐めても健康を害さないと言われている健康塗料を使用しています。木のおもちゃなどにも使用されているものです。健康塗料は乾燥する時間が長いことや重ね塗り等の手間がかかることなどからコストは上がるのですが、住研ではこの塗料を標準仕様としています。
しかし、キッチンや洗面台、手洗器などの水廻りは長年経つとシミになりやすく、定期的なメンテナンスが必要となるため、お客様に確認の上、ウレタンなど水に強い塗料をお薦めすることもあります。
このように場所によって使い分けることにより、何年使用しても味わいのある仕上材や家具となり、長く愛される家につながると考えます。

⑤ 珪藻土・しっくいの特徴

珪藻土は昔から火に強い土として七輪や耐火レンガなどの材料に使用されてきたこともあり、その特性から耐火性に定評があります。そして建築材料としては部屋内部の湿度調整機能があることがあげられます。湿度が高くなると部屋の中の湿気を吸い始め、逆に冬場の乾燥時などは、含んでいる湿気を放出してくれるので、室内の不快感を軽減するのです。
また、漆喰も耐火性、湿度の調整機能があり珪藻土とほぼ同じ機能を持っています。住研の使用する漆喰の中には、その特性に加えて、化学物質の吸着力が非常に強い焼成カルシュウムと麻のスサや海藻を煮込んでつくった糊を、カビを発生させない無菌水に混ぜ合わせて、光熱触媒効果を持たせた『幻の漆喰』もあります。その他の使用漆喰においても化学のりを用いずCO2を吸収しながら硬化する特性の、古来より伝わる海藻のりを配合した漆喰を使用しています。
短所は、乾燥後の収縮率が高いためコーナーや下地などのジョイント部分に、ひび割れが入りやすいということです。

⑥ 壁紙の特徴

壁紙には大きく分けてビニールクロス、環境壁紙、和紙があります。
住研では体にいい家づくりをテーマにしているため、環境壁紙や和紙を標準仕様としています。環境壁紙には珪藻土に近い機能を持つもの、お手入れがしやすいように表面強化がしてあるものなど数種類あることもあり、その用途によっての使い分けが可能です。そして紙に近い素材のため廃棄する際に有害物質の排出が少なく済むので環境にもやさしい壁紙となっています。
また、住研では壁紙を貼る際の糊も重要と考えます。有害物質の放出が少ないものを使用しています。このように細かな配慮をすることにより、体にやさしい家が出来上がります。

⑦ 防災陶器瓦の特徴

防災瓦は従来の瓦にはない、ロックアームという機構を持っています。独自の形状『ロックアーム』は、曲がりや錆の心配がありません。施工時に、下の瓦のアームを上の瓦の穴に差し込こませ、ガッチリと固定するという仕組みなので台風など突風が吹いても飛びにくい性能を持っています。
また、陶器瓦は耐久性にも優れ、一般的にメンテナンスフリーと言われており、塗装のメンテナンスが不要のため後々のコスト面でも非常に有利です。住研では防災陶器瓦を標準としています。
注)台風などでの瓦の飛散、割れなどの場合はメンテナンスが必要です。

⑧ 蓄熱暖房機の長所

蓄熱暖房機は蓄熱体に蓄えられた熱が、輻射熱となって部屋全体をゆっくりと暖め、無垢の木がその熱を蓄え、陽だまりのようなやさしいあたたかさをじんわり放出してくれます。乾燥もしにくいので、体にやさしい快適なあたたかさです。火気をまったく使いませんから、安全で灯油やガスなどの燃料を補給する必要もなく、いやな臭いもありません。結露もしにくい暖房器具です。
また、昼間の料金より割安な深夜電力を使って蓄熱体にしっかり熱をため、日中は必要に応じてこの熱を少しずつ取り出し効率よく放熱するだけなので経済的でもあります。ファン予約運転ができますので、室温を自動で設定温度にコントロールできます。蓄熱の残量が少なくなった場合も蓄熱増しが可能なので安心です。そして燃焼式暖房機に比べて蓄熱式暖房機は構造が簡単なので、約2倍以上の耐久性があると言われているのも魅力の一つです。